【公開日】 2017年01月27日 

大麻がなぜ禁止なのか?

【この記事を読むのに必要な時間は約〈 5 分20秒 〉です。】

最近、よく大麻解禁に関するキャンペーンを見かけるようになりました。

「昔からある文化だから」、「無毒の品種もあるから」、などといろいろな理由をつけて合法化を目指すポジティブキャンペーンがほとんどですが・・・。

例えば下の記事。

わが国の貴重な麻(大麻)の伝統を守るために必要なこと

これを一読すると「大麻って言われているほど悪いものじゃないんだ」と思うわけですが、完全に問題の認識をずらしてミスリードさせているだけですよね?

これは「生産者側の問題」であって「社会の問題」ではありません。

「区別して栽培できる」、「厳格に管理できる」だから何なのでしょう?

では実際に社会に蔓延している薬物としての大麻、これを駆逐することは出来るのでしょうか?

素人目にはほとんど区別のつかない「無毒」と「有毒」の双方が社会に流通したとして「誰がその違いを認識して判断してくれる」のでしょうか?

「使用した人間がすべて悪い」とできるのであれば別ですが、残念ながら大麻は「使用だけでは処罰されない」薬物です。

これは大麻取締法第6章 罰則(24条以下)をみればはっきりわかる通り、

・大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。(24条1項)

・大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。(24条の2 1項)

となっています。

もちろん使用に関しては「免許の目的外に使用してはならない」(3条2項)という点や、「大麻取扱者(所持や栽培を許可された者)以外に譲り渡してはならない」(13条、24条の2)という規定もあるので、それ以外の人間が譲り受けたり栽培してはならない=使用しようがない、という認識もあったものであろうとは思われます。

使用した側を「被害者」とみる視点もあるのでしょうが・・・。

一応24条の3 1号には「第三条第一項又は第二項の規定(大麻取扱者の義務)に違反して、大麻を使用した者」を「5年以下の懲役に処する」という規定はありますが、これも栽培や所持を許可された者を対象にしている感は否めません。

長くなりましたが言いたいことは「使用を制限出来ない以上、もし何かのきっかけで(有害品種が)世の中に流通しだすと歯止めが利かなくなる」ということから「いくら伝統(無害のものを使う)と言えどリスクの高いものを許可する理由にはならない」ということです。

面白いのは大麻取締法の第1条にある「この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」という条文です。

この後半部分の「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)~を除く」という例外が日本の伝統産業を守ることが出来るかもしれないという点、面白くないですか?

詳しくは下のページに書いてありましたので読んでみてください。

再び大麻、成熟した茎とは(弁護士小森榮の薬物問題ノート)

ちゃんと下部に

現在では、収穫された麻の茎を見る機会はほとんどないでしょうが、その製品を目にする機会はあります。麻織物、弓の弦、結納にそえる共白髪や神主さんが使う幣にも麻の繊維が使われています。
大麻取締法が制定された当時は、こうした製品も大量に流通していました。また、麻を作物として栽培する農家も多かったといいます。こうした農業活動や生産・流通活動を妨げることがないよう、この規定が設けられたのです。

ということが書いてあります。

つまり「違法な薬物として流通させる気が無ければ現状でも十分に可能ではないのか?」ということが言えるわけです。(まあ、今の状況だと許可が下りにくそうですが。)

紙幣や硬貨などの製造に携わるレベルで(実際はそこまで要求されませんが・・・)厳格な管理がなされれば、結局のところ日本の伝統産業としての「大麻」は現状でも許容されている、と言えるでしょう。

ちょっと脱線しすぎましたが、今回の伊勢の件は「見分けのつかない以上、無害と言えど厳格な管理(有害物との明確な区別を周囲ができる)ができない状況であれば周囲を混乱させてしまう」という社会的、公益的視点から見れば妥当な判断だと思われます。

ちなみに・・・

国民は、無害な『大麻』と有害な『大麻』の区別がつかない。全てをひっくるめて『恐ろしいもの』というイメージを植え付けておくのがよい」

という作戦の下でという内容がありますが、すでに多くの国民はそのような区別はつきません。もともと興味のないものを知っておけという方がおかしいです。

伝統(他で代替可能)と社会の安全(唯一無二)ということを天秤にかけている時点で難しいという点を理解したほうがいいんじゃないでしょうか?

昔からあるものを変わらず守るって相当難しいことですよ?

社会は変化するものですから。



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ほんと参った

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