【公開日】 2017年03月07日  【最終更新】 2017年09月09日

出版されている本の紹介に表紙画像は使っちゃダメ?

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書評をブログコンテンツの一部に組み込みたいと思って調べてみたのですが、どうも出版されている本に関しては表紙画像の掲載すら限りなくアウトに近いグレーだということがわかりました。

なぜ?

その理由は簡単で「本の表紙にも別の著作権が発生する」からということらしいです。

小学館講談社などのページにも「本の表紙を使いたければ電話なりFAXなりで連絡しろ」ということが書かれています。

内容の紹介してるから引用でしょ?

こう言いたいところなのですが、本の中身の紹介ではその表紙の絵については「引用」とは認められないという意見が強いらしいです。

こちらの記事にはわざわざ出版社に電話して聞いたという話が載ってます。

【疑問】本の表紙をSNSにUPして良いかお問い合わせした結果!|編み物ブログ.com

こちらのブログでは行政書士の先生が本の表紙の著作権について説明してくれています。

本の表紙画像のブログ掲載は違法?|著作権 侵害・違反を考える

どちらの記事でも結論は「著作権違反なのでNG」ということのようです。

あくまでも表紙に対する言及があって初めて「引用」らしいので、普通の書評ではほぼアウトですね。

掲載しているサイト多いけど?

まあ、「みんながやっているから正解」というわけではないということでしょうね。

でも訴訟費用の問題や広告宣伝の意味合いの強さから、あえてお目こぼしされているということらしいです。

前向きに宣伝してくれている個人サイト相手にいちいち訴訟起こすのも費用面から考えると現実的とはいえませんし、そもそも違反行為をしている全てのサイトを知ること自体が不可能です。

でも『黙認』と『許可』は違うので訴えられていない=セーフというわけではないようですよ?

改正されないの?

むしろブログなどを書いている人たちにとってはあまり好ましくない方向で「改悪」する傾向にあるようです。(TPP白紙化のおかげで非親告罪化はなくなったようです。)

例のTPPの著作権の期間延長の話でもあったように、より著作者側に有利なように実務上は変化しているようです。

具体的な動きが下記のサイトに書いてあるようなので気になる方はどうぞ

著作権の非親告化はいつから?メリット、デメリットは?どんな影響があるの?|自由レポート

まとめ

ということですので、書評では「本の内容の一部については引用できる」けれど「表紙画像の掲載は引用ではない」からダメということになります。

しかし、中身と外側が一体となっている商品に対して「中身はいいけど外はダメ」といってしまう運用のしかたが出版社や拡散してくれるネットユーザー双方の利益となるとは明らかに思えないのですが・・・。

もしいい本を紹介しても、外のカバーを表示できないとなると購入しようとする人たちの「知る」という行動を制限することになってしまいます。

ちなみにアマゾンなどのアフィリエイトではちゃんと許可をもらっているからOKなんだそうです。

そのため使いたい場合にはアマゾンアソシエイトなんかの審査に通らなきゃダメみたいです。

正直なところ改変したり自己の利益のためじゃなくても使えない、というやり方にはまったく納得できませんがそれがルールなら受け入れるしかないでしょうね・・・。

というわけで今後は書評は止めておこうと思いますm(_ _)m

本当にダメなのか?

やっぱりこの結論だと納得できないという人も多いと思います。

ただし、一つだけ言えるのは、そもそも一つの商品として成り立っているものを別個に扱う神経が理解できませんし、その商品について記述があるのであれば表紙の画像を無断使用として訴えることそのものに無理がある、ということです。

あくまで『商品の評価』というスタンスの記事なのであれば、褒めようが貶そうが著作権法32条(引用)の範囲内でしかありません。

ちなみに「ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。」というのは国や地方自治体が発行した著作物に対しての話であって、一般的な著作物の場合は『公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるもの』であれば禁止されようが引用することは可能です。

画像の著作権の具体的な話については別の記事で書いているのでそちらをご覧くだされば幸いです。

ただし上記の記事は「画像自体が対価の発生するもの」であって利用の仕方が引用の範疇にはなく、書評やゲーム紹介の場合の画像使用とはちょっとニュアンスが異なります。

というわけで個人的には「書評やゲーム紹介、サイト紹介での一部画像の使用は対象物を明確にするため」という目的のためであれば必要に応じて『引用』していいということだと解釈しています。

『プラスのイメージのあるものにしか使ってはいけない』という意見が流布されているようですが、そもそも引用規定に基づけば『批判(マイナスイメージを喚起するもの)』に使用することも可能なはずです。

あくまでも『親告罪(訴えられなければいい)』だという話と引用の要件を混同しているように思います。

 

というわけなので実は本の表紙画像を記事に使用したからといって、必要な範囲内であればそもそも訴えられても負ける可能性は低い、ということになりそうです。

もちろん引用の要件を欠くような使用方法(勝手に改変したり、引用元の不記載など)であればグレーどころかアウトですのでお気を付けください。

そもそもなんで「本の表紙を引用してはならない」なんていうのがこんなにも拡がったのかわかりません。

あくまでも個人的意見なので保証はできませんが、これ(本の表紙は使っちゃダメ)が通るのであれば公表されているのに批判しちゃダメ、ということになってしまうと思うんですが・・・。

まあ、使うときにはちゃんと用法(著作物の引用規定)を守ってやっていればそこまで大きな問題にはならなそうです。

私的使用のための複製でアウトになるのは・・・

ちなみに有償で提供されているコンテンツ(動画・音楽など)を違法アップロードと知りながらダウンロードする行為は私的複製といえど犯罪行為ですのでこのあたりと混同しないようにご注意ください。

あくまでも

  • 単体で価値のあるもの(有償で提供されているもの)
  • 著作権者でない人間が許諾を得ずにアップロードしたもの
  • 違法行為であると知りながらダウンロードすること

という要件をすべて満たす場合には、改正著作権法119条3項の

第30条第1項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

という条文に抵触し、『2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、または両方』という罰則が課されることになります。

 

ちなみに画像を掲載しているサイトによく『画像の保存を禁止します』といった記述を見かけますが、改正著作権法の上記条文で対象となっているのはあくまでも『動画・音楽(録音や録画できるもの)』であって画像の私的複製については処罰対象に含まれていないので、その点は問題ありません。

Q 個人で楽しむためにインターネット上の画像ファイルをダウンロードしたり、テキストをコピー&ペーストしたりする行為は刑罰の対象になるでしょうか?
A 私的利用に留まる限りは違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。違法ダウンロードでいう「ダウンロード」は、「録音や録画」であり、音楽や映画が想定されています。画像ファイルのダウンロードまたはテキストのコピー&ペーストは「録音または録画」に該当しません。

暮らしに役立つ情報|政府広報オンライン

そもそも引用や私的複製については法律上「禁止している場合は~」などの記述がない限りは禁止しようがないことを理解していない人が多いように思います。

公衆送信権などの問題が発生する発信側と違って、受け手側が気をつける必要があるものは「著作権者の利益を不当に侵害していないか」ということであって、だからこそ違法ダウンロードなどが問題になるわけです。

 

ちなみに著作権法そのものは『親告罪』なので「一度間違ってダウンロードしてしまった」程度の話では違法ではありますが、すぐにどうこうなることはありません。

Q6:親告罪とは?
親告罪とは、権利者の告訴(犯人の刑事処罰を求める意思表示)がなければ検察官が起訴することができない犯罪をいいます。逆に非親告罪とは、検察官が起訴するには、権利者の告訴が不要なものをいいます。

これって違法ダウンロード?Q&A|STOP!違法ダウンロード

ただし、違法だと気づいた時点で違法ダウンロードコンテンツについては廃棄し、二度とやらないように注意しましょう。



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ほんと参った

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